■顎関節症治療から生まれたTCH是正(TCHコントロール)

 

日経ビジネス(2018.10.29 No1964)に、「100歳まで自分の歯を保つためには、上下の歯を接触させない」が掲載されました。

           

  100歳まで自分の歯を使うという発想になると、歯を失う最大原因は、上下の歯を無意識に接触させている癖(TCH)です。この癖があると、閉口筋が収縮することで生じた力が歯・歯周組織・顎関節にダメージを与え、むし歯・歯周病・顎関節症の原因となります。TCHという癖は、人により頻度や強さが異なります。ぜひとも、ご自分のTCHリスクを知る必要があります。 

 

朝からパソコン作業だけなのに、夕方には「あ〜 疲れた・・・」はなぜ

 1日中パソコン画面を見ていたのですから、目の疲れはやむを得ません。しかし、頭が重くなったり、肩が凝ってしまうのはTCHかもしれません。夢中になって仕事をしていると、本人は気付いていないのですが、上下の歯を軽く触れさせたり、強くかみ締めたりしています。
  上下の歯が触れただけで、咀嚼に関わる筋肉のうち閉口筋といわれる筋肉が収縮します。この状態が、数時間続けば側頭部に頭痛が出たり、肩が凝るのは当たり前の話です。この収縮し続けることが習慣化して、長期に亘ると、むし歯・歯周病・顎関節症を発症させたり、進行させます。

インプラント歯と自分の歯の違い

 インプラント治療が盛んに行われています。インプラント手術が成功すると、自分の歯が戻ってきたかのような快適な食生活が可能となります。
  しかし、しっかり咬めるようになったインプラント歯は、適切な日常の手入れが大切で、手入れが上手くできないと自分の歯と同じように歯周病になります。しかも、歯槽骨と強力な繊維(歯根膜)で繋がっていないため、一旦グラツキ始めると自分の歯よりも簡単に抜けてしまいます。人工物であるインプラント歯を長く使用するためには、インプラントに無理な力が掛かり続けないTCH是正がとても大切です。


  インプラント手術後、歯周病管理は別の歯科医院で受ければよいと安易に考えてはいけません。他の歯科医院では、「自分の歯」の歯周病管理はしてもらえますが、「インプラント歯」の歯周病管理はしてもらえない可能性があります。歯周病になったインプラント歯の管理はとても難しく、上手く管理出来ないことで起こる前医とのトラブルは絶対に回避しなければいけません。
 どうしても自分の歯が残せなくて、インプラント手術を受けなければいけない場合、手術後の定期的なメインテナンスが受けられる歯科医院を選択してください。メインテナンスには、TCH是正指導も含まれます。

TCHリスク3a,TCHリスク3bに該当される患者さんは、TCHコントロールが必要?

 強度なTCHのある人は、TCHがあることが自覚できないにも関わらず、様々な症状に悩まされているはずです。口が大きく開かなくなったり、開けにくくなる、口を大きく開けようとすると痛みがある、口を開けようとするとカクンと音がする、こめかみ辺りが傷む、頭が重いような感じがして鎮痛剤が手放せない、肩こりや首筋のコリが激しいから始まり、入れ歯が短期間に合わなくなる、奥歯がよく腫れる、歯の磨耗が激しい、歯がよく欠けることがあるなどというような様々な症状が現れます。

 こうした不定愁訴といわれる悩みに、TCHが関わっており、TCH是正が必要となります。まずは、ご自分のTCHリスクを知ることからはじめましょう。

大切な自分の歯について、正しい知識を持つことが、歯を長く使うコツ?

 「医療相談」を担当していて感じることは、歯について興味を持っておられるにも関わらず、歯についての基本的知識の欠如した人の多いことです。基本的な知識がなければ、結局歯科医の言われるままの医療を受けることになります。適切なケアが出来れば、10年以上使用できる歯を抜かれて、インプラントにしてしまうという愚もおかしかねません。

 こうした疑問をもたれるようでしたら、「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」(講談社刊)を参考に。

 TCHとは、Tooth Contacting Habitの略称で、「上下歯牙接触癖」のこと

 2003〜2004年に、木野孔司元東京医科歯科大学准教授の所属する顎関節症治療部でTCH(Tooth Contacting Habit )という言葉が生まれました。 TCHの基本概念は、東京医科歯科大学と慈恵医大病院に来院された数千人の顎関節症患者さんのアンケート調査の結果から発見されたものです。

 TCHが、顎関節症治療に新しい幕開けを

 TCH是正が導入される以前の顎関節症治療法としては、マウスピースを患者さんに装着させて痛みを緩和させる治療法が一般的でした。場合によっては、顎関節症治療として、口腔外科で外科手術も行われていました。しかし、TCHを発見した木野先生のグループは、TCH是正指導で、顎関節症患者を日常生活に困らない状態に回復させる治療法を開発しました。この治療法の開発で、難病と言われた顎関節症を、咬合調整やマウスピースを使わずに、指導だけで改善できるようになりました。

 「次世代の顎関節症治療を考える会」が、TCHを普及させる活動をしました。

 TCHが顎関節症治療に有効であることと、TCHを日常診療に導入する木野孔司歯科医師と齋藤博歯科医師の共同研究から、TCHが自分の歯を長持ちさせるために必須な要素であることが判明したため、「次世代の顎関節症治療を考える会」を設立して、2010年8月のホームページ製作を機に広報活動を開始しました。
  当会の活動で、多くの人がTCHという言葉を知るところとなりました。当会の活動の様子は、「研究活動実績」を参照してください。

 100歳まで生きる時代のための「TCH是正咬合療法」 

  木野と齋藤の10年以上に亘る共同研究で、TCH是正が顎関節症治療ばかりでなく、むし歯・歯周病予防や難症例の義歯治療などにも役立つことが解明され、生涯自分の歯を使う可能性が現実のものとして捉えられるようになりました。  このような目的で誕生したのが「TCH是正咬合療法」です。
  自分の歯を生涯使えることが可能となれば、再生医療やインプラントなどという最新技術も必要ではなくなります。また、100歳まで生きることが当たり前になる時代、ぜひとも、TCH是正されて、100歳まで自分の歯を残すことに挑戦してください。

         100歳まで自分の歯でおいしく食べよう!

                                

 

 

詳しい説明と購入法
 

 

この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。