TCHコントロールは、ほんとうに顎関節症・虫歯予防・歯周病治療に有効なのか?

本会設立の経緯

 私(齋藤博)と大学の同級生である木野孔司元東京医科歯科大学准教授とは、学生時代から親しい友人として付き合ってきました。
  特に、木野先生が顎関節治療部部長になられてからは、患者さんを介しての付き合いが緊密になり、2000年代の初頭には、TCH(Tooth Contacting Habit の略)の前身とも言える「歯を離して、舌は上」という概念が顎関節症治療に有効という知識を得て、サイトウ歯科でも、「上下の歯を触れさせている習慣を軽減させれば、義歯を噛み締める癖も軽減されて、義歯直下の歯肉が痛くならなくなるのではないかとかゲームなどに夢中になり噛み締める習慣になった子供さんの歯列矯正が行いやすくなるのではないか」などと考えて導入してみたところ、多大な効果をあげることが出来ました。

 2003〜2004年にかけて、木野先生の顎関節症治療を、長期に亘り見学する機会がありました。その頃は、TCH(Tooth Contacting Habitの略)という言葉が生まれていました。
  木野先生は、開口測定器以外の特別な器具を使わず、難症例といわれる顎関節症をTCHコントロールだけで、日常生活に困らない程度に改善させているのを目の当たりにした時は、まるでマジックを見ている思いでした。
  この思いが本当である証拠に、私の娘(齋藤七海)、息子(齋藤博之)が、歯科医になると、木野先生の直弟子としてこの技術を修得させました。


 昔は、多くの人が、口を閉じている時は、上下の歯を噛見合わせておくものだと考えていました。しかし、どうしても上下の歯が触れなければ生活に支障が出るのは、食事・嚥下・発音する時だけで、その時間は20分以内と考えられています。それ以外の時間は、唇は閉じていても、上下の歯を1〜2mm離れさせおくべきです。この状態を、下顎安静位と名前がついています。
  木野先生とサイトウ歯科の共同研究で、
上下の歯を離すことを習慣化させることで、顎関節症治療ならびに予防ばかりでなく、虫歯・歯周病などといった口腔内トラブルの軽減や予防に繋がることが判明しました。特に、次のような症例では、著効が見られました。
  (例)入れ歯が痛くて入れられない。虫歯でないのに歯がしみて困っている。一番奥の歯がグラツいて歯周病が進行している。次々と歯を破折させる。昔に比べてかみ合わせの高さが低くなり、顎が小さくなった。歯並びが変わってきた。など

 TCHコントロールだけで、難病といわれる顎関節症治療および予防・虫歯予防・歯周病予防ならびに軽減できてしまうという、患者さんにとっては願ってもない方法を社会に広める必要性に気付き、木野先生(グループ)と私とで、本会を設立しました。開始の切っ掛けとして、2010年8月の夏休みに、私はこのホームページを作りました。

本会の広報活動

 TCHは、大学病院に来院された数千人の顎関節症患者のアンケート調査から見つかったもので、十分な学問的な背景がありました。とても個人の歯科医院でのデータ収集能力の及ぶところではありません。私は、この強みを利用して、ホームページの展開・本の出版・木野先生のTVへの出演・歯科医学誌での論文展開・マスコミの取材・歯科医に対する研修会などの企画を頭に描き、展開させました。
  企画が展開するにつれて、木野先生のTCHコントロール法も、認知行動療法などを取り入れて、より実践的な手法となり、顎関節症と診断されるほとんどすべての患者さんの改善が可能になりました。
  TCHに関して本当に難しいことは、顎関節症患者に、患者さんの生活習慣となっているTCHの存在を気付かせ、是正することです。このことを可能にするためには、特殊訓練が必要となります。


  顎関節症・虫歯・歯周病は生活習慣病です。TCHコントロールが確実に出来るようになれば、こうした生活習慣病の予防・軽減が可能になります。
  マウスピースを装着して顎関節症治療は行いません。マウスピースを装着すると、マウスピースを絶えず噛んでいることとなり逆効果です。また、マウスピースで一時的に顎関節症の症状が改善しても、本来の顎関節症はよくなっていませんから、再発することがあります。この状態になっていることを、「かくれ顎関節症」と言います。

 マウスピース治療を受けて、顎関節症の症状が改善している患者さんは、次のことを試してみてください。無理に口を大きく開けてみてください。その状態で、顎関節に痛みがあるようでしたら「かくれ顎関節症」です。痛みが出ない範囲のの開口状態で、日常生活しているだけです。突然、顎関節症症状が再発する可能性があり、治療が必要となります。

 

 講談社から「顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本」「100歳まで自分の歯をのこす4つの方法」などの出版、医歯薬出版から「TCHコントロールで治す顎関節症」「歯科医院で取り組むTCHコントロール入門」の出版、木野先生の「たけしの健康エンターティメント」「ためしてガッテン」「きょうの健康」などへのTV出演、読売新聞・日本経済新聞・朝日新聞・日経ビジネスなどといった多くのマスコミの取材、歯科医師向け「歯界展望」「日本歯科評論」への論文発表。
  多くの人々の協力により、「TCH」という言葉が、社会に広く知られるようになり、多くの人々の生活習慣の改善に寄与出来るようになったのではないでしょうか。

木野顎関節研究所

 サイトウ歯科の施設を利用して、木野先生と齋藤博之歯科医が中心となった顎関節症専門の医療機関を作るという構想で、「木野顎関節研究所」を開設しました。全国から患者さんが来院されましたが、殆どすべての患者さんが数回の来院で日常生活に支障のない状態まで改善してしまったため、もともと病院に行かないと困るような顎関節症の患者さんの数は限られていることもあり、経営が成り立たないほどに、患者さんの数が減ってしまいました。やむなく閉院ということになりました。このことから、いかにTCHコントロールによる顎関節症治療が有効であるかがお解かりいただけるかと思います。

 顎関節症が改善しても、顎位を安定させて、再発を防ぐために、補綴治療・歯科(虫歯)治療・矯正治療が必要になることがあります。サイトウ歯科が、数十年に亘り、木野先生の指示にしたがって、この部分を担当してきました。顎関節症の患者さんは、薄紙1枚という1000分の20mm程度の咬み合せの高さの違いにも敏感に反応する過敏化が起きています。こうした患者さんを治療するためには、熟練した歯科医が、すべての作業(補綴治療・歯科治療・矯正治療)を担当し、歯科技工物まで手作り(ハンドメイド)する必要がありました。木野先生の指導の下で、多くの顎関節症患者の携わったことで、サイトウ歯科は、「TCH是正咬合療法」とネーミングした独自技術を会得することとなりました。

本会の今後の展開

 歯科専門誌「歯界展望」11月号、12月号に「TCH是正咬合療法」が特集として掲載されました。11月号では、特集 「TCH是正咬合療法の現在 1 TCH是正咬合療法を知る」で、木野孔司・齋藤博・齋藤博之が執筆しています。12月号では、「TCH是正咬合療法の現在 2 理論的根拠から臨床の実際まで」で、齋藤博・齋藤滋子・渡邉晴美が執筆しています。

 

  

 

 顎関節症治療はTCHコントロールで解決できる確証が得られたため、木野先生と私は、「歯科治療にTCHコントロールを導入して、顎関節症を含む顎関節の悩みを未然に防止して、生涯自分の歯で快適な食生活が出来るようにする」という次なるテーマに挑戦しました。そこで生まれたのが、「TCH是正咬合療法」でした。

  この療法では、まず、顎の動きの診断とTCHの程度をチェックして、TCHリスク分類をします。TCHリスク1、TCHリスク2、TCHリスク3a、TCHリスク3bと分類します。
  TCHリスク3bには、顎関節症までも含んでいますから、TCH是正咬合療法では、顎関節症は、もはや特別な病気と扱われるのではなく、療法の1部として日常的に取り扱われることとなります。
  それと同時に、この療法では、2人に1人が経験するという顎関節症の予防も可能となります。この療法では、確実なTCHコントロールとハンドメイドで咬合違和感を生じさせない高精度の補綴治療・歯科(虫歯)治療・矯正治療です。

 TCHコントロールで生活習慣の改善を行い、生涯自分の歯で生活することを可能とする「TCH是正咬合療法」を社会に広める活動を行ってゆきます。
  この活動により、絶えず変化する顎関節に対応した医療を行うことで、間接的に虫歯・歯周病・顎関節症で悩む人が減り、生涯自分の歯で不自由なく食べられる時代になるものと考えています。

   

 

詳しい説明と購入法
 

 

 

 

 

 

 

 

この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。