■顎関節症治療から生まれたTCHコントロール、次なる展開は?

 

 2003〜2004年に、木野孔司元東京医科歯科大学准教授の所属する顎関節症治療部でTCH(Tooth Contacting Habit )という言葉が生まれました。 TCHの基本概念は、東京医科歯科大学と慈恵医大病院に来院された数千人の顎関節症患者さんのアンケート調査の結果から発見されたものです。

 TCHコントロールが導入される以前の顎関節症治療法としては、マウスピースを患者さんに装着させて痛みを緩和させる治療法が一般的でした。場合によっては、顎関節症治療として、口腔外科で外科手術も行われていました。しかし、TCHを発見した木野先生のグループは、TCHコントロール指導だけで、顎関節症患者を日常生活に困らない状態に回復させる治療法を行っていました。この治療法を見学した 私(齋藤博歯科医師)は、この治療法を開業医に広めれば、多くの顎関節症患者が簡単に苦しみから逃れることが出来ると気付き、木野先生(グループ)と「次世代の顎関節症治療を考える会」を設立し、2010年8月のホームページ製作を機に広報活動を開始しました。

 当会は、予想以上の影響を社会に与えることが出来ました。多くの歯科医師がTCHという言葉を知り、顎関節症治療に導入できるようになり、2人に1人が人生のうちに1度は経験すると言われる顎関節症で悩む人々に光明を与えることが出来たと思っています。いまだ、TCHコントロールを導入されておられない開業医の先生は、TCHコントロールを勉強され、日常診療に導入されることをお勧めします。当会の途中の経過は、「研究活動実績」を参照してください。 

 TCHコントロールが顎関節症に有効であることが解明された頃、私と木野先生との共同で、上下の歯が当たることで起こる歯や歯周組織に加わる力を減らすことが出来れば、歯の寿命も延び、歯周病の進行予防になるのではないかということで、TCHコントロールを日常診療に導入する試みを開始しました。
 こちらの試みは、顎関節症ではない患者さんへのTCHコントロール導入でしたが、歯周病でグラグラと動く大臼歯がシッカリしてきた、今まで痛くて入れられなかった義歯がいつも入れていられるようになった、あくびをするといつも顎が痛かったのが痛くなくなった、奥歯のしみる感じがなくなったなどという、患者さんにとって都合のよい症状が現れるようになりました。10年以上に亘る共同研究で
、TCHコントロールが顎関節症治療ばかりでなく、虫歯・歯周病予防や難症例の義歯治療などにも役立つことが解りました。

 話は前後しますが、私は40年前に「生涯自分の歯を使う」というフィロソフィーのもとに、歯科医院を開設しました。積極的に、開院当時からショ糖・プラークコントロール指導を日常診療に導入し、36年前には、3ヶ月に1度来院していただき歯周病管理を行なう「ペリオクリーニング」を考案して導入した経緯があります。
  こうした「生涯自分の歯を使う」という積極的試みで、「ペリオクリーニング」会員の大半の患者さんは数十年後も歯を失うことなく口腔の健康を維持されていますが、次第に大臼歯部の歯周病が進行し、歯を失う結果となる数人の患者さんがおられました。この問題に悩んでいる頃に、木野先生と共同研究が始まりました。会員の「自分のTCHを知る」という作業から開始して、自覚させたTCHを減らすTCHコントロール指導を行ったことで、問題も解消され、ほとんどすべての会員が、自分の歯を生涯使うことができるのではないかと言う可能性が見えてきました。
  自分の歯を生涯使えることが出来れば、再生医療やインプラントなどという最新技術も必要ありません。私の師匠、織家勝先生は、常々「歯を抜くということは、歯科医の敗北である」と言っておられました。「抜く以外に方法が見つからないと言うことは、いまだ歯科医としての技量が足らない」ということを意味されていました。私にとっても、耳に痛い言葉でしたが、日常診療にTCHコントロールを導入できたことで、師匠の言葉を現実に出来る可能性が非常に高くなりました。

 本会は、TCHコントロールで顎関節症を治すという広報活動は達成したため、次は、私たちでないと出来ない、顎関節症の患者だけでなく誰でもが役立つ活動を企画しました。学問的な背景のあるTCHコントロールを取り入れて、100歳まで(生涯)自分の歯を残そうという活動です。これは、本会でないとできないことで、社会的な使命と思っています。

 誰もが、自分のTCHを知って、日常生活にTCHコントロールを取り入れだけで、歯周病予防となり、歯の寿命はグッと延びます。

まずは、普通では気付かない「自分のTCHを知る」ことからはじめてください。

 自分にTCHがあることに気付かなければ、TCHコントロールは始まりません。誰にでも当てはまることですが、歯を当てていることが当たり前になっているため、「自分のTCHに気付く」ことはとても難しいことです。

 自分のTCHを自覚出来るようになったら、次にTCHリスクを知る必要があります。TCHリスク1ならば、TCHのことなど考える必要がありません。TCHによる歯や歯周組織へのダメージが問題にならないレベルだからです。
  しかし、TCHリスク3aに該当する人々は、TCHコントロールが出来るようにすることが必須要件です。ライフイベント(日常生活の出来事)によっては、TCHリスク3bと重症化して、顎関節症・咬合違和感が現われる可能性があります。
  TCHリスク2に該当する人々も、ライフイベントによっては、TCHリスク3aとなり、最後臼歯がしみる、噛むと痛む、グラツクようになることや歯周病が急速に進行する可能性があります。(TCHリスク分類を参照してください)

  このキャンペーンは、木野孔司元東京医科歯科大学准教授を顧問として、齋藤博歯科医師が展開してゆきます。

 

「自分のTCHを知る」 ことから始めよう。

 

TCH とは、1日に 20分以上、上下の歯が触れていること

 

 

詳しい説明と購入法
 

 

この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。