■ 普段の ご自分のTCHリスクを知る


木野・齋藤のTCHを日常診療に導入する共同研究

 1日に上下の歯が触れないと生活できない時間は、たった20分以内と考えられています。それは、食事・嚥下(ツバを呑む瞬間)・発音の時間です。それ以外の時間は、当たらなくても日常生活に支障がないばかりか、長時間当てていることで困った問題を引き起こしています。

 木野先生の率いるグループは、顎関節症患者のアンケート調査結果から一番多かった「何もしていない時に、上下の歯を当てている癖」をTCHと定義しました。この定義では、日中の無意識な「くいしばり」や夜間の無意識な「はぎしり」とは別物としていました。

 しかし、木野・齋藤のTCHを日常診療に導入する共同研究では、「くいしばり」「はぎしり」などを含めて、「1日に20分を超えて、上下の歯を当てている癖」という大前提で開始しました。TCHコントロールを日常診療に導入する事で、今までの顎関節や口腔内のトラブルに繋がる問題の糸口が見えてきました。

 

TCHリスク分類

 

 日常診療にTCH導入に当たって、患者さんによりTCHの程度(リスク)に差異があり、リスクに応じた対応が効率的なことが判明しました。そこで生まれたのがTCHリスク分類です。

TCHリスク1:ほとんどTCHのない患者さんで、こうした患者さんにTCHコントロール指導してしまうと、いつも「歯を当ててはいけない」と考え、無理に歯を離しておこうとするため、咀嚼筋が疲労して、逆に顎が不安定になる危険があります。指導を受けてはいけない患者さんです。

TCHリスク2:TCHによるトラブルが口腔内に起こっていない状態ですが、ライフイベントによっては、TCHが増える患者さんです。多くの人が、このレベルに該当していますが、身内の不幸や金銭的なトラブルなどに巻き込まれた時みは、TCHリスク3aないしTCHリスク3bとなることがあります。

TCHリスク3a 口腔内にトラブル、例えば、歯の動揺・磨耗、舌圧痕、骨隆起などが起こっていますが、顎運動には問題の起きていない状態です。指導を受けてTCHコントロール出来るようにする必要があります。
このレベルに該当する人々は、若い頃と違って、歯や歯周組織にダメージが出始めた40〜50歳代から、次から次へと歯を失う道を歩んでゆく可能性があります。

TCHリスク3b:顎運動にトラブルの起きた状態(顎関節症・咬合違和感・隠れ顎関節症)です。放置してはいけない状態です。

 自覚症状がなくても、TCHリスク3a,TCHリスク3bに該当する患者さんは、ぜひともTCHコントロール出来るようにする必要があります。

 

TCHリスクは、時々刻々と変化する

 

  TCHリスクは、絶えず変化しています。急に冷たい北j風が吹いただけで、TCHリスクは高まります。その他に、身内に不幸があったときなどもTCHリスクが高まります。TCHリスクが変化することを知って日常生活を送るのと、知らずに送るのとでは、口腔内の健康に大きな差異が現われてきます。

 

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この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。