■100歳まで自分の歯を残すためのTCH是正咬合療法

 

 100歳まで自分の歯を残すためには、TCH、Sugar,Plaqueという3つのコントロールは絶対に外せません。Sugar,Plaqueコントロールについては、多くの書籍に書いてありますが、本会が広報活動してきたTCHだけは、まったくの新しい概念です。したがって、TCHという言葉をご存知でも、日常生活にどのように取り入れるべきかはご存じないと思います。

 誰にでも多かれ少なかれTCHという癖を持っておられます。しかも、ライフイベント(日常生活の様々な出来事)によって、TCHは増減します。まずは、「ご自分のTCHに気付き、TCHリスクを知ることで初めて、TCHコントロールという対策が可能となります。

 TCHコントロールが出来るようになれば、今まで抜歯と考えられていた歯の延命も可能となります。当然ですが、顎関節症予防に繋がります。

 ここで、TCHとは何かと簡単におさらいしてみましょう。 1日に、上下の歯が触れずにいると生活できない時間は、たった20分以内と考えられています。それは、食事・嚥下(ツバを呑む瞬間)・発音(日本語では、訓練で当たらなくても発音出来る)の時間です。それ以外の時間は、当たらなくても生活に支障はありません。1日に20分を越えて、上下の歯が触れたり、強く噛んでいることをTCH(Tooth Contacting Habit)と言います。

  ご自分のTCHに気付き、正しくTCHコントロールを身に着けることが出来れば、少なくとも、奥歯が噛むと痛む、虫歯ではないのに奥歯がしみる、奥歯がグラツク、奥歯の歯肉から膿が出るという症状は軽減します。もうダメだと思っていた奥歯が、抜歯されずに、数十年使用可能になる可能性もないとは言えません。

 ここで紹介する「TCH是正咬合療法」も、患者さんにTCHを気付いていただき、こちらの指導によるTCHコントロールを行うことで生まれた歯科治療法です。この治療法が誕生するまでには、木野孔司歯科医師の協力の下で、10年以上の歳月が掛かりました。ちなみに、是正=コントロールという意味です。

 この治療法は、「歯界展望」11月号、12月号に連載特集として掲載されました。
  

  掲載された「TCH是正咬合療法」のうち、木野孔司歯科医師と齋藤博歯科医師の文章を掲載しておきます。

 「TCH是正咬合療法」は、TCHを減らすことで、虫歯・歯周病の予防・進行を抑える目的、歯科治療によって患者さんに与えてしまう違和感を最小限にする目的、矯正や咬合挙上を無理なく行えるなどを目的として、最終的には「100歳まで自分の歯を使う(残す)」ことをゴールと位置づけています。もともと、顎関節症治療法の一環として生まれたTCHですから、この治療法には、顎関節症予防も含まれています。

 歯科医院で、1本の奥歯に詰め物されてから、しばらく詰め物が気になって困ったという経験はないでしょうか。その後、違和感は減り、感じなくなれば、不幸中の幸いですが、中には咬合違和感に発展する患者さんがおられます。こうした患者さんの多くは、TCHリスク3aというレベルのTCHリスクを持っておられます。一旦、咬合違和感が発症してしまうと、治療が大変難しく、場合によっては、数年間悩み続け、日常生活に事欠くこともあります。

 「TCH是正咬合療法」での基本は、例えば、現在歯がすべて生え揃っている患者さんに対して、治療イスに座って、歯科治療を受ける前と歯科治療を受けた後とが違いがないようにする事です。歯を削った場合、今まであった形態のコピーを仮歯として使用します。「確か治療を受けたはずだが、何も治療を受けなかったみたいだ」と感じさせることが出来れば、変化の自覚がないのですから、咬合違和感が起こりません。「TCH是正咬合療法」では、なるべくエナメル質を残し、神経を取らない最少治療を導入して、患者さんに与えてしまう違和感を最小限に抑えています。

 先日、興味深い患者さんが医療相談に来られました。インプラントを沢山植えられた患者さんでしたが、「10年前は、インプラントが歯科治療の先端医療と信じていましたが、現在では、自分の歯を残すことこそ先端医療と思っている」と。一度抜かれたご自分の歯は元には戻せません。「TCH是正咬合療法」のような、原点に戻った最新医療も必要です。

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詳しい説明と購入法
 

 

 

 

 

 

 

 

この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。