TCHとは?

 何もしていないとき人間の上下の歯は接触していません。くちびるを上下閉ざしていても上下の歯は触っていないのです。本来上下の歯は会話、食物の咀嚼、食物の嚥下という動作をするときに瞬間的に触るだけです。ですから接触時間を加えていって1日ためても20分以下です。

 ところが、何かの作業をしているとき、考え事をしているとき、テレビを見ているときなどに上下の歯を触らせたままにしている人がいます。たとえ強くかんでいなくとも、上下を軽く接触させただけで口を閉じる筋肉は働いてしまうのです。

 ですから、上下触らせていると、その間筋肉は働き続けてしまいます。接触時間が長時間になれば筋肉は疲労してきます。また口を閉じる筋肉が働くと、顎関節は押えつけられることになるため、長時間になると関節への血の巡りが悪くなり、丁度正座していて足がしびれたときと同じように、感覚が敏感になって痛みを感じやすくなってしまいます。

 この不必要な上下の歯の接触という癖(Tooth Contacting Habit (TCH)と名付けました)が多くの患者さんに見られたため、この癖の是正をしていただきました。すると,他の治療を何もしていないのに症状が消える方が多数いらっしゃったのです。つまりこのTCHが症状を作り出すうえでの大きな役割をになっているということが分かってきたのです。

 

 

この会は、東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志が組織しているスタディー・グループが立ち上げました。顎関節治療部は、木野孔司准教授をリーダーとして、顎関節の悩みを抱える患者さんが年間2000人以上来院する世界一の顎関節症治療機関です。豊富なデータ解析を元に、画期的な顎関節症治療を行っていますが、忙しいために、ユックリと患者さんのお話を聴いたり、よりよい治療と判っていても時間の掛かる治療までは出来ない状態です。そこで、このスタディー・グループが、自分たちの研究結果から、より理想に近い顎関節症治療を展開することになりました。また、画期的な顎関節症治療を、患者さんだけでなく医療担当者にも知っていただく広報活動もはじめました。
TCHとは?