■ 顎関節症治療は、TCHコントロールで

 

 長い人生の間に、2人に1人が患うと言われる顎関節症


  難病と言われる顎関節症は、生活習慣病です。

                     

 顎関節症の典型的な症状は、口を大きく開けられない(開口障害)、口を開けると顎関節付近に痛みが出る(開口時痛)、口を開ける時に、クリック音やガサガサゴソゴソといったクレピタス音 です。

 木野孔司元東京医科歯科大学の研究グループが、マウスピースを使わず、かみ合わせ調整することなく、TCHの是正だけで日常生活に困らない程度に症状が改善することを発見しました。

はじめて、顎関節症になったとき

 今まで、問題なく何でも食べられていたのに、ある日突然顎の調子がおかしくなった場合の話です。現在歯科治療を受けていたり、以前に顎関節症治療を受けた経験がある場合は別の話となります。

 例えば、寝相が悪くて、朝起きた時に顎の調子がおかしい。硬い物を噛み過ぎて、顎の調子がおかしい。大きなアクビをしたら顎が痛くなった。・・・・・・・・

 こうした症状が、或る日突然現われたら、一番よい方法は、安静にして1週間ほど様子をみることです。痛みが激しいようでしたら、本当に困っている時だけ、鎮痛剤を服用して様子を見ます。自然によくなることが多いと思います。

 心配性の人は、歯科医院に駆け込むと思いますが、この段階の名医とは、顎の触診と動きのチェックをし、必要に応じて顎関節のレントゲン写真を取り、現在の症状を歯科医自らが詳しく説明してくれます。固いものなどを避けて、なるべく安静にして、1週間ほど様子をみるように指示されます。場合によっては、鎮痛剤を渡されます。
  この段階で、歯を削ったり、マウスピースを入れる治療を薦める歯科医は要注意です。自然に良くなる可能性があるので、余分なことをされると治るものも治らなくなります。

 1週間様子を診て、自然治癒するようでしたら、歯科医院に行かずに日常生活することをお勧めします。よくならないようでしたら、TCHの是正指導が出来、顎の動きを触診できる歯科医院を選んで下さい。

顎関節症は、歯科治療から始まる?

 
歯科治療を受けて、「少しかみ合わせが高いのです」と訴えても、「時間が経てば、おさまります」という歯科医院には注意しましょう。


 歯科治療後、噛んだ時に、違和感があると、絶えず治療を受けた歯に舌や対合する歯を当てるようになります。 それでも、多くの患者さんは次第に気にならなくなりますが、一部の患者さん(TCHリスクの高い患者さんに多い)では、咬合違和感という症状が現れ、顎関節症へと発展してゆきます。場合によっては、日常生活にも事欠く事態に陥ります。木野先生の率いていた東京医科歯科大学病院の顎関節治療部には。こうした患者さんが全国から来院されていました。

 気になる歯をいじり続けると、歯を支えている歯槽骨と歯根とを強固に連結している歯根膜に炎症が起こり、僅かですが歯が浮き上がります。こうなると、さらに高いものをかぶせたように感じ、咬んだ時に高い歯だけが当たるようになります。歯根膜に炎症があるので、高い歯がかみ合うと痛むため、避けて食べるようになります。この段階では、下顎がいつもの位置とは違う上顎の位置とかみ合わせてしまう状態、すなわち顎位が不安定な状態になっています。たった1本の歯の歯科治療からこのような症状で悩まされる可能性があります。

 かみ合わせ治療に精通した歯科医の治療を受けた場合、かぶせ物や詰め物を入れるための形を取った時、必ず仮歯を入れてもらえます。そして、次の来院日まで使用する仮歯で、何ら違和感なく日常生活できるはずです。 出来上がったかぶせ物や詰め物を入れた際にも、治療イスから降りた時には、隣の歯と少しきつい感じがしますが、その他には何も違和感がないはずです。隣の歯ときつい感じは、1〜2時間で解消します。きつい感じがないと、接触点の部分がゆるいため、食事のたびに、繊維質の食べ物が歯と歯の間にはさまり、重症な歯周病へ発展する原因となることがあります。 

 

TCHリスク3aの状態では、かみ合わせに関わる歯科治療は禁忌

 TCHリスク3aの状態は、顎関節症にはなっていませんが、顎関節症予備軍ともいえる状態です。したがって、TCHがさらに増える要因、例えばかみ合わせに関わる歯科治療を受けることで、TCHリスク3b化する可能性が非常に高い状態です。

 TCHリスク3aの患者さんは、まずは、TCH是正指導を受け、TCHリスクを軽減してから、かみ合わせに関わる歯科治療を受けるべきです。

かつてマウスピースで顎関節症を受けた患者さんは、まだ顎関節症が治っていない?

 マウスピースを入れることでかみ合わせが高くなります。顎関節部の痛み発症部分も浮き上がることで楽になります。症状が和らいだ状態で、マウスピースを少しづつ削って、かさ上げしたかみ合わせの高さ低くしていく治療法です。

 この治療法では、多くの場合、「隠れ顎関節症」になってり、顎関節症は治っていません。したがって、この状態で、TCHが増えるようなことがあると、また顎関節症症状が現れます。隠れ顎関節症の診断方法は簡単です。無理に大きく開口させた時に、顎関節部に痛みが出ます。このような症状があれば、TCH是正指導を受け、無理に開口しても痛みが出ないようにする必要があります。

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この会は、木野孔司准教授をリーダーとした東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志と齋藤博(サイトウ歯科)によって、TCHを社会に広める目的で、2010年に設立されました。過去6年の社会活動で、TCHが社会的に認知されるようになりました。木野先生が東京医科歯科大学を定年退職されたため、事務局の齋藤博(サイトウ歯科)が、この会を引き継ぎ、TCHを社会に広める活動を展開してゆきます。